wakaba’s blog

ASD(自閉症スペクトラムについて)

【ASD選書】『跳びはねる思考 会話のできない自閉症者の僕が考えていること』・書評

おはようございます。

私は、ハウツー本から当事者研究の本までいろいろと自閉症関連の本をよく読むのですが特におすすめしたい本はやっぱり当時者の東田直樹さんのご著書です。

言葉にできない想いを抱えている人へ

東田直樹さんの「跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること」についてご紹介いたします。

 

1 東田直樹さんについて

東田直樹さん
1992年8月、千葉県生まれ。
自閉症の僕が跳びはねる理由」(エスコアール・角川文庫)で有名な自閉症の当事者です。この本は13歳で執筆されたというのだから驚きです。会話の出来ない重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングでのコミュニケーションが可能で、理解されにくかった自閉症者の内面を平易な言葉で伝え、注目を浴びました。

『跳びはねる思考 会話のできない自閉症者の僕が考えていること』本文紹介より

2 

『跳びはねる思考 会話のできない自閉症者の僕が考えていること』について

日々の雑感を綴ったエッセイ集で、短い話が多く全体としてとても読みやすい本です。

本書の前書きにはこんな言葉が綴られています。

僕がどんなに高く跳びはねても、それは一瞬のことです。
すぐに地面に着地してしまいます。なぜなら、体というおもりがついているからです。
しかし、思考は、どこまでも自由なのです。
何の制約を受けることなく、空の彼方に舞い上がったり、深い海に潜ったりすることができます。
僕と一緒に思いを巡らせてみませんか。きっとあなたも新しい「自由」を手に入れることができるでしょう。

『跳びはねる思考 会話のできない自閉症者の僕が考えていること』4頁

東田さんの文章の素敵なところは何といっても、表現がみずみずしいところ。

すごく繊細に、生きた心地を掬っているのが伝わってきて、読んでいるこちらまで、気持ちが解放されるような感覚があります。

「思いを巡らす」という言葉通り、自閉症の障害特性のことから、家族のこと、特別支援学級・普通学級でのこと、著作について、趣味について、と幅広く綴られています。

章ごとに挿入されているインタビュー記事も大変魅力的です。

本書で私が好きなお話は「涙」というエッセイ。
東田さんが泣いても泣いても泣けてくるとき、自分の言葉が誰にも届かないと孤独の中にいたときのことが丁寧に綴られています。

本書の読後は、いつも「自分は一人ではない」と思えます。

それはこうして言葉にできないとされてきた言葉を懸命に綴り発信してくれる存在がいるからこそなのだと思います。

気持ちが苦しくなったとき、傍に置いておきたい本です。

是非読んでみてくださいね('ω')
読んでいただきありがとうございました。

今日も無理せず頑張りましょう!

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